(最終更新日: 2025/11/16)
フルマラソンサブ3に必要な考え方と、弊方の具体例をまとめておきます。
サブ3に必要な考え方
[1]高頻度&継続性
大原則として、練習は、継続できることをコツコツと積み上げて行く、という考え方。
・練習を最低数ヶ月単位で継続的に積み上げられ、身体がその練習負荷に適応できる範囲内で行うことが重要。即ち、大半が余裕のある練習で構成。(例えば、高負荷の練習を1回こなしたが、その後1週間休んでしまった、ではダメ)
・そのかわり頻度は高頻度、コンスタントとなるので、標準的には、頻度は週6以上、月間走行距離も300km程度は達することになるだろう。(決して、300kmありきではない)
[2]期分け
レース当日から逆算し、練習期間を段階分けし、各段階に則した練習が必要、という考え方。
まずは、5kmタイムトライアル(TT)を行って走力確認する。
(A)基礎構築期 (〜レース11週間前)
(A-1)10-15km 低〜中強度走 目的: 基礎スピード、基礎持久力構築
サブ3を目指す人は、流石にそれなりのランニング習慣はあるという前提だが、自覚的運動強度で楽〜ややきついレベル(低〜中強度)で、高頻度で距離を踏むことが重要。夏がこの時期にかかる場合は、ペースの数字自体にこだわらず、自覚的運動強度で良い。慣れてきたら中強度の割合を多く。
(A-2)坂ダッシュ(河川敷アプローチなどの100m程度の上り坂を、全力ダッシュの8割の力感で10本程度 レスト60秒)
(A-3)流し200m*5本 (レスト30秒)
目的: 脚筋力・心肺機能強化・スピードフォームの定着
なお、これらは、基礎構築段階のみならずどの期でも有効。単独で行うというより、低強度練習メインの日の補助的スピード練習として付けるのも有効。
(A-1)を週6ペースで行い、うち週1で(A-2)、週2で(A-3)を加えると良い。イーブンペースの低強度走、中強度走ではなくビルドアップ(BU)的に行うのも有効。その場合は、高強度区間が補助的スピード練習的な意味合いとなる。
・基礎スピード、スピード持久力(後述)の両方良いとこ取りで汎用性あるメニューが、10-15kmのビルドアップ(BU)走。以下の面でコスパ/タイパ良く、理に適っている。
・アップがてら低強度で入るので、故障リスクが少ない
・練習総量として中強度中量に収めやすいので、高頻度でできる
・一度に広いペース帯の練習ができ、各段階のペースと疾走距離を調整することで、練習に変化をつけられる
・終盤レースペース以上のペースもカバーできるなら、スピード練習にもなる(ラスト1kmだけMAXあげるサージ(Surge)のバリエーションも)
・身体がきついと思ったら、そのまま低強度走として終えることもできる
期の最後に走力確認TTを行い、5km19分半(3:54/km)で走れるか確認。
(B)移行期 (レース10〜9週間前)
5kmTTを19分半(3:54/km)切れない人は、基礎スピード構築が必要。
(B-1)1000mインターバル(INT)走 目的: 基礎スピード構築
まずは(A-2)(A-3)のようなショートインターバルでスピードに慣れつつ、週1で1000mINT走を行う。週ごとに負荷を漸増(スピード4:15/km〜3:50/km 本数 5本〜10本)、レストを漸減(120秒〜60秒)。頻度も、慣れたら週2まで増やす。移行期完了までに最低 疾走4:00, レスト60秒 を最低7本はクリアしたい。INT走は、ベースの走り込みが伴ってないと故障しやすいので十分注意。
最後に、TTで走力確認を行い、この段階で5km19分半は欲しい。
本来はこの移行期から閾値(LT)走、レースペース(RP)走を始められればINT走は不要かもしれないが、基礎構築期を終えていきなりサブ3ペース以上のスピードで走ることは困難だったり、何とか走れたとしても適応しにくいので、距離を分割してスピードに慣れるという意味で、繋ぎ的な移行期を挟むのが一般的だろう。どうしてもINT走に抵抗あるならば、LT走、RP走の強度を落として始めるというのもありだが、LT走、RP走もそれなりキツい練習とはなるが。。
(C)特異的練習期 (レース8〜3週間前)
目的: より実践的な、ある程度の距離をレースペース付近で維持するスピード持久力の養成。
(C-1)閾値(LT)走 (5-10km, 4:00-4:05/km)
(C-2)レースペース(RP)走 (15-21km, 4:10-4:15/km)
いずれも、ある程度呼吸が乱れるハードな練習となる。各週1で距離・スピードを段階的に増やして行く。最初は、上記より5-10秒遅いペースでも良い。走力が乖離しすぎていると、無理やり走っても適応しにくいので注意。
一般的な距離走(30km走等の長距離走)の代替が、MAX21kmのRP走となる。この期は週2のポイント練習いずれの負荷も高めなので、この期までに心肺と脚筋力の土台をきちんと作っておけるかがポイント。
また、練習前後のセルフケアも入念に行うのと、他の日の練習強度は低強度中心で。
再度TTで走力確認を行い、10km39分(3:54/km)〜最低40分(4:00/km)は欲しい。
(D)仕上げ、調整期 (レース2週間前〜レース前日)
目的: 特異的練習期でのかけた負荷を、身体に十分に適応させる
・もうここからは新しいことはやらず、頻度・強度は変えずに時間(距離)をピーク時の8割→6割程度に段階的に減らして行く。あれも足りてない、これも足りてないと練習量増やしたり強度上げてしまうのは厳禁。反省と改善はレース終わってから。
・レースで使うギアや補給を試すなど、より実践を想定した練習をする。ぶっつけ本番になることのないように。
・ポイント練習のメニューは、以下推奨。特に(D-1)は実力把握となる。これを4:20/km以内でできなければ、今回サブ3は厳しいと思って良い。
(D-1)2週間前: RP走21km
(D-2)1週間前: RP走10km
(D-3)4日前: RP走5km
これら練習の間は、低強度走中心プラス適宜補助的スピード練習でつなぐ。
[3]具体的な練習メニュー例
・RPあるいはRPより速いスピードで比較的短い距離を走る、RPより遅いスピードで比較的長い距離を走る(ただし頻度保てる限りは、21km以下でよい)のいずれかで構成し、それらに適応した身体で、RPで42km走るのがレース当日。
・具体的には以下メニューを、[2]で説明した期ごとに適切に組み合わせる。
・基礎スピード、基礎持久力構築: 中強度走
・補助的スピード構築: 坂ダッシュ(坂D)、流し(WS)
・基礎スピード構築: インターバル(INT)走(3:55-4:00/km)
・スピード持久力構築: 閾値(LT)走(4:00-4:05/km)、RP走(4:10-4:15/km)
・疲労回復: ジョッグ(5:40/kmより遅い)もしくは低強度走(5:20〜5:40/km)
・走力確認: タイムトライアル(TT)
・トレーニングをこなすだけでなく、その余裕度が重要。いっぱいいっぱいだと身体が適応しにくい。
・量・強度面でのバリエーションにも留意。いつも同じ刺激ばかりだと適応も少ない。
弊方の具体例
参考までに、10km持ちタイムは39:14でした。まずは、ここで言うスピード練習、長距離練習の定義をしておきます。
スピード練習: インターバル(INT)走、レペティション走等の高強度走
長距離練習: 21km以上のペース走。(ただし、ステップでマラソン大会出場があったので、厳密に言うと長距離練習と言えなくもないが、ご容赦ください)
結果
2km7:06、10km39:14、ハーフ1:26:49の持ちタイムでも、ミズノランニングクラブの福澤式(週6でコツコツ10km程度走り、うち週1~2で10~15kmのビルドアップ)をベースに10-12kmペース走、坂路ダッシュを取り入れるアレンジを加え、4か月間の練習で館山若潮マラソンでサブ3を達成できました。

1回1回は無理のない負荷ながらも、毎日コンスタントに負荷をかけ続けることが、長期的には故障リスクが低く効果的というもの。これまでは月300km走るとどこかしら痛くなるものだったが、確かに、疲れが溜まらない!(筋膜リリースのケアはやってます)。
2018.1.28 館山では3:05:54を記録(詳細は以下)し、
http://www.nastac.net/entry/2017/01/31/210000
2018-19シーズンも再チャレンジ!2018年9月末から始動し、2019年1月の館山若潮マラソンでサブ3を達成するまでの具体的なトレーニング方法をまとめてみました。
なお、メニューはこの本を参考にしています。(画像をクリックするとAmazonサイトへジャンプします)
共通マイルール(優先度高い順)
・前日睡眠時間が5h未満の日は運動禁止(守らないと病気して積み上げがパーに)
・平均週6の頻度で、1回に走る距離は5-15km、または坂D(2km扱い)で、平均10km/日、月間300kmを目安(自ずとこの走行距離に)
・完休の連続は2日まで(2日連続完休したらその翌日はたとえ低強度でも必ず走る)
・完休時も含め定常的にグリッド、マッサージボールを使用したコンディショニングは実施。
・ポイント練習は週2回まで。
・高負荷練習の翌日は回復走としてスロージョグ(SJ) 7:00/kmより遅いペースで40分以上。
・回復走以外のジョグの時は、ただのジョグで終わらせず、最後にウインドスプリント(流し)を3-5本入れる。(仕上げ期)
メニュー概要
まずはコツコツと高頻度(週6)で30分以上ジョグ(J)もしくはスロージョグ(SJ)する習慣を身に着ける。走りきれない人はウォーキングから。
低強度であっても週6というのがポイント。序盤はまずランニング習慣をつけることが重要なので、1日休んだら「カド番」と思い、2日連続では絶対に休まないようにしたい。このJ&SJの積み上げだけでもある程度、着地衝撃耐性と筋スタミナが身に着き、自ずと歩かずに時間内完走が見えてくる。
次第に距離・時間を延ばし、10km程度なら全く筋肉痛が出ないくらいに脚ができてきたら自ずとサブ4前後の走力はついているはず。
次の段階は、週6のJ/SJのうち、週1~2を10-15kmのビルドアップ走(BU)に替え、ポイント練習とする。BUのラスト1kmは全力で追い込む。この積み上げでサブ3.5はおろか、3時間10分前後までは行けるはず。
サブ3狙いとなると、培った着地衝撃体制と筋スタミナの土台を大前提として、4:15/kmより早く走り続けられるスピード持久力も必要になってくる。よって、ポイント練習を時々12分間走か5kmTT、あるいは強度高めのペース走(PR)を兼ねた10kmTTとして走力を確認するのが良い。(12分間走: 3100m, 5kmTT: 19分台前半、10kmTT: 39分台後半は最低練習で出しておきたい)
走力確認の結果、ビルドアップ走(BU)だけではスピード持久力に不安を感じる場合は、BU走のポイント練習を10-12kmペース走(PR)に切り替え、最低限4:05/kmで走り続けられるだけのスピード持久力をつける。
これを繰り返すと、「ここまでなら我慢して行ける、これはオーバーペースだな」という見極めの精度が不思議と上がってくる。即ち、LTギリギリの強度で走るのが上手くなってくる。
スピードに慣れるスパイスとして150m程度の坂路ダッシュ(坂D) 登り20秒-下り60秒 * 10セットを別の日のポイント練習に取り入れたり、単なるJの日はJ後にウインドスプリント(WS) 100-150m 3-5本加える。
話は変わるが、サブ3となると1秒も無駄にできないので、走力向上以外にも身に着けておくべき技術Tipsは多数。例) スピードを落とさずスムーズな給水・給食(エイドで立ち止まるなどもってのほか)、ウェアリング(装備)、集団を利用した走り、上り下りのフォーム、ほどけない靴紐、等々。これらは実戦で経験しないとなかなかイメージ湧いてきませんが、重要なのでいつかまとめます。
メニュー詳細
10-12km BU、5-15km J/SJ、スパイスにWS (流し) 100m3-5本、坂D150m10本(H: 20秒 - L: 60秒)、走力確認を兼ね10km TT/PR (ペース走) このいずれかを週6の頻度で。
~2018/9/中旬
暑さでトレーニングのやる気全く起きず(夏は苦手なんです 笑)
2018/9/中旬~下旬
涼しくなってきたものの、この時期は仕事の山が続くため、軽いジョグのみ。
2018/9/末〜10/20 (完休4日)
ようやく涼しくなってきて、まずはランニングの習慣作り。スロージョグ(SJ)、ジョグ(J)中心。気持ちよく走る。💩するように、ランニングしないとむずがゆくなり、勝手に走りたく感じるようになったら、習慣化してきたと言える。
ポイント練習: 基本J/SJのためまだなし。週1だけ少し早いペースのJ。
10/21(ちばAQLマラソン)
距離耐性の醸成を目的に、42kmBU走の意識で出た練習レース。以下参照。
http://www.nastac.net/entry/2018/10/24/225501
10/22-10/28 (完休0日)
それなりに疲れたが、大田原まで1ヵ月しかないので、完休日は設けずにSJ中心で回復を図る。
10/29-11/22 (完休3日)
J、SJ中心。11/15 1回だけ13km BU。11/16 史上初往復通勤ラン(32.2km)
最後1週はSJ中心。9/末のトレー二ング開始からここまで500km走った。
11/23 (大田原マラソン)
以下参照。3:07:58とまずまず悪くはないが、サブ3達成にはスピード持久力がまだまだ不十分だった・・・。
http://www.nastac.net/entry/2018/11/23/065158
11/24 SJと酸素BOXと超音波治療で必死の回復
11/25 (那須高原ファミリー&ハーフ)
全力爆走1:33:07。この中1日の経緯は、以下参照。
http://www.nastac.net/entry/2018/11/27/120941
11/26-30 (完休2日)
12/1-31 (完休6日)
着地衝撃耐性、筋スタミナへの不安はなくなったと判断し、ここからは4:15/kmより早いペースで走り続けるスピード持久力醸成を最優先に取り組む。10-12kmを4:15/kmより早いペースで押して踏ん張るペース走(PR)と、150mの河川敷アプローチの坂路ダッシュ(坂D)を導入。
ポイント練習: BU2回、PR5回、坂D10本 5回
1/1(市川市民元旦マラソン10km)
10kmTT 39:14。以下参照。
http://www.nastac.net/entry/2015/01/01/210000
1/2-26 (完休2日!)
引き続きスピード持久力醸成。1月から意識的にJの後に100-150mの流し(WS)を3-5本入れ、4:15/kmより早い動きに対応。
ポイント練習: 10-12kmPR 4回、坂D 3回
感触: 10km4:01〜4:05/kmは出せるようになってきたが、なかなか4:15/kmを余裕に感じる力はつかない。
1/27 (館山若潮マラソン)
5kmを20分台後半から21分台で、精密機械のように刻む展開。前半4:12/km、後半4:18/kmで2:59:09(4:15/km) 詳細以下。
https://www.nastac.net/entry/2017/01/31/210000#2019%E5%B9%B4-25909
故障予防
私自身悩まされたランニング障害ですが、痛い箇所そのものにアプローチしても、よくなりません。それに気づくまで、多くの金と時間(治療院通い)を使いました。私の場合、GRID筒やボールを使った筋膜リリースが効果ありましたので、試してみてください。
◆鵞足炎⇒以下GRID筒でハムストリングスの筋膜リリースを。
◆膝蓋じん帯炎⇒これは本当に嫌な痛みなので暫くトレーニングは休み、以下GRID筒で大腿(もも前)の筋膜リリースを。
◆足底筋膜炎⇒以下GRID筒でふくらはぎの筋膜リリースを。
◆種子骨付近の腱炎⇒以下GRID筒で、臀部の筋膜リリースを。(特に痛い方と反対側の臀部)
参考書籍: 「3時間切り請負人」が教える!マラソン<目標タイム必達>の極意
最後に、参考にした書籍とそのレビューを記しておきます。
◆フルマラソンにはスピード持久力(いわゆるスピード)と筋持久力(いわゆるスタミナ)が必要と認識しているが、 この本の趣旨は、「週5 60分ジョグ、週1 10-15kmビルドアップ」を、期分け関係なくコツコツ続ければサブ3を達成できるというもの。◆ただし、スピードアップのメカニズムについては触れられていない。(ビルドアップのラスト1kmをレースペース(サブ3なら4:15/km)で走る練習で、4:15/kmで42km走れるようになるのかがどうも釈然としない。 ◆ゼイゼイする練習、スタミナ作る長距離走、疲労回復のLSDのバランスこそがサブ3の近道と思っていたが、 このメニューに倣って練習をこなしたところ、3時間5分台、3時間7分台を記録。このメニューをベースにレース2カ月前からビルドアップ走を時々10kmペース走(4:15/kmかそれよりも早いペース)に変えて臨んだらサブ3を達成できた!