(この記事は中学生程度の人に説明することを想定し、半分自分の勉強のために記しています。少しずつ加筆修正していきます)
簡単に言うと
組織の持つ資源(=組織の活動に携わる人・使うインフラ(道具、設備)・業務のやり方(手順) まとめて3M)を管理し、商品/サービスを買ってくれる人の満足を上げるための各業務品質の保証の仕組み(品質マネジメントシステム=QMS)に関する国際的な決め事です。
業務手順書作って、文書整備して、・・・ではありません!!
認定機関によって認定を受けた認証機関の審査(外部審査)を受け、その仕組みが規格に適合していると判定されれば、晴れて認証を受けられます。なお、当然ながら認証は1度取れば永年有効のはずはなく、定期的に更新が必要です。
プロセス
Processというと一般には「過程」等と訳されますが、規格用語として、業務の固まりのことをプロセスと呼びます。簡単に言うと、インプットからアウトプットの「過程(=業務)」ということですね。
製造業であれば、営業、製品設計、製造技術・設備開発、調達、製造、物流等の製品実現(バリューチェーン)に関わる「製品実現プロセス」と、それを支援するマネジメント、リソースマネジメント、戦略立案、品質保証、人材育成と言った、製品実現を支援する「支援プロセス」があります。
各プロセスにはプロセスオーナーが居て、プロセスオーナーがプロセスの有効性を上げるようPDCAを回し、トップマネジメントに報告(マネジメントレビュー)。
トップマネジメントが、システムの有効性を高めるようリソース面で支援したり、各プロセスに指示する、という形です。
規格の要求事項(決め事)
0~10章で構成されています。具体的な要求事項は4章からで、それぞれ一言で言うと以下の通りです。
4章: 仕組み全般に対する要求
5章: トップマネジメント(経営者)に対する要求
6章: 組織の実施計画に対する要求
7章: 人(Man)・インフラ(Machine)・文書(Method)といった3Mに対する要求
8章: 製品実現のバリューチェーン(営業、製品設計、製造技術・設備開発、調達、製造、物流等のプロセス)に対する要求
9章: 立てた目標の評価、レビューに対する要求
10章: 改善に対する要求
仕組みを作り、リーダーが方針を立て、それぞれの持ち場が方針に沿った計画を立て、3Mを整え、製品実現プロセスを実行し、活動を振り返り、改善する、という、まさにPDCAサイクルそのものを要求しているのです。
なぜ企業はISO9001認証を取るのか
特に製造業の場合は、以下必要性があるという背景があることが多いです。
・完成品メーカーに納めている部品メーカーが、競合他社の中から自社品を採用してもらうのに(箔をつけるため)ISO認証取得していると有利、もしくはISO認証取得を採用の条件にしている、という場合
・輸出企業に多いですが、品質保証の仕組みに関する国際基準に適合しているることをアピールする場合
・モノ・国/地域によってはISO認証書を輸出通関時に求められる場合(商取引上やむなく)、
等があります。
内部監査
ISO9001規格では、組織内を自分達で確認する「内部監査」を定期的に実施することが定められていますが、そこでは主にプロセスの有効性と適合性を見ます。
有効性: プロセスのパフォーマンスが出ているか確認する。
適合性: ルールが適切か確認する。また、ルール通り業務ができているか確認する。
この本が非常におすすめです。
QMSの7原則
・顧客重視
・リーダーシップ
・人々の積極的参加
・プロセスアプローチ
・改善
・客観的事実に基づく意思決定
・(利害関係者との)関係性管理
ISO9000ファミリー
ISO9000: 基本及び用語
ISO9001: QMSに関する要求事項
ISO9004: 持続可能な成功及びパフォーマンス改善のための広範なQMSの目標に関する指針